捨てる美学
ショーン + センが友人マリーの制作した装着可能なアートや彫刻を、彼女が作品を捨ててしまう前に撮影する
- 写真: Sean + Seng
- アートワーク: Mary

ショーン + センがマリーに出会ったのは1999年のことだ。ふたりが初めてロンドンに越してきたとき、ショーンはロンドン芸術大学のカンバーウェル・カレッジに通うひとりの美術学生と家をシェアしていた。その同居人が、ドローイングの授業で知り合ったというマリーを彼に紹介した。マリーは90代の現役アーティストだ。彼女はとても内気な性格で、自分自身のためにたったひとり作品を作っている。彼女の作品はリサイクル素材から作られており、彫刻から詩、ファッション アイテムに至るまでさまざまな形で表現される。
マリーは、仕上がった作品をすべて、別の用途で使うか捨ててしまう。彼女は永続性には興味がない。刹那的であることが重要なのだ。「彼女は僕たちがカッコいいと考えるものには全く見向きもしないから、彼女見ていると逆にワクワクする」とショーン + センは言う。「たとえば、以前、彼女は快適な靴が欲しいと言っていたことがあって、ウィングチップを買ったんだ。でもつま先がちょっときついからと言って、彼女は靴のつま先部分を切り取っちゃった。すると今度は少し味気なくなってしまったから、彼女はそれを青に塗ったんだよ」
今回のエディトリアルは、ショーン + センがマリーの装着可能なアート作品や彼女が個人で所蔵する彫刻作品に、SSENSEのファッションを組み合わせる。スタイリングはマリーの着こなしを参考にしている。彼女の作品において、常に遊び心に溢れ、楽しいものであることがどれほど重要か尋ねられると、マリーはこう答えた。「とても大切よ。私たち古株にとって人生はシュールだからね」

モデル着用アイテム:クルーネック(Stella McCartney)

モデル着用アイテム:クルーネック(Stella McCartney)

モデル着用アイテム: V ネック (Raf Simons)


モデル着用アイテム:T シャツ(Raf Simons)

モデル着用アイテム:スカート(Junya Watanabe)、ブラウス(JOSEPH)

モデル着用アイテム:イヤリング(JW Anderson)、ショート ドレス(Issey Miyake)


モデル着用アイテム:帽子(Loewe)、ジャケット(Yohji Yamamoto)



モデル着用アイテム:帽子(Loewe)

モデル着用アイテム:スカート(Comme des Garçons)、ブラウス(JOSEPH)

モデル着用アイテム:ブランケット(Bless)、スイムウェア(Proenza Schouler)
- 写真: Sean + Seng
- アートワーク: Mary
- ヘア: Hiroshi Matsushita
- メイクアップ: Anna Payne
- セット デザイン: Joyce Gentle
- モデル: Julia Paternain @ Elite London、Niks @ Bro Models
- スタイリング アシスタント: Johanna Bailey
- 写真アシスタント: Adam Richardson、Konstantinos Zoidis